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出版情報

・今年の初荷の本の紹介ー『人格障害論の虚像』

 情緒不安定な人、また感情の起伏の激しい時期にいる少年や少女が犯罪を起こすたび、人格障害という病名が取りざたされる。果たしてそうしたラベル貼りで片が付くものなのだろうか。むしろラベルを貼ることによって、貼られた本人をいっそう傷つけ社会から排除させているのではないか。AD/HD、アスペルガー症候群、境界性人格障害・・・、著者はそうした人格障害という精神医学用語が輸入され始めたのと同時代に精神医学の世界に入った。それゆえ著者自身、輸入精神医学用語に影響されながらもラベリングに対する問題点を見つづけてきた。誰でも社会や他者とのコミュニケーションの危機的状況下において犯罪を起こす可能性がある。またラベリングは犯罪行為というコミュニケーションの無惨な発露をもう一度人格障害という虚像のなかに封殺してしまうのだ。著者はラベルを剥がしコミュニケーションをいかにして救抜していくかを力強く説いている。


*会社紹介

 雲母と書いて「きらら」と読ませるのは、当て字ではありません。ちゃんと国語辞典に出ています。鉱物の雲母(うんも)がキラキラと光ることから転じたものですが、語感がいいでしょう。一度覚えていただくと、けっこう印象に残る社名だと思います。

 さて、雲母書房は設立が1988年の9月ですから、今年で15年目ということになります。設立当初から都下の東村山市で細々と営業してきたのですが、事務所が手狭になったことに加えて、仕事上の不便も感じていたので、1998年の5月に新宿区に移転してきました。

 出版のジャンルは、保育、教育、医療、福祉、介護、心理、精神世界が中心です。歴史書もチラホラありますが、これからは社会問題の本を増やしていこうと考えています。

 雲母書房の目指してきたこと、これから目指す方向について少しコメントいたします。

 私たちの実存は「生老病死」をめぐるドラマに深くかかわっています。生まれ育つこと、病むこと、老いること、そして死ぬこと。仏陀が人間の「苦」の源と考えたこの4つのテーマは、時代を超えて、2 ハハ1世紀を生きる私たちにとっても根元的な問いであり続けています。人がその人生の中で例外なくぶつかる諸問題を軸に、雲母書房の書籍のラインナップが用意されている、それが私たちの夢です。子育てで悩んだとき、心の病で精神のバランスを崩したとき、老いて障害を抱えたとき、死に直面したとき、そんなときに頼りになり心の支えになる本を出版していきたい。また一方で、子ども、病んだ人、老人は、社会の病理をもっとも敏感に映し出す鏡でもあります。ここに視点を据えてみると、この社会の冷酷さがよく見えてきます。社会批判と社会変革というモチーフを欠落したら、おそらく出版活動を続けていく意味はない。私たちは、その志をこれからも貫いていきたいと思っています。

 雲母書房にご興味をお持ちになりましたら、小社のホームページもぜひご覧ください。

http://www.kirara-s.co.jp

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