『侵略神社』

 辻子実 

¥3,000 新幹社 2003.09.発売

書評抜粋

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・・・台湾侵略戦争の途中で非業の死を遂げた北白川宮を祭った台湾神社のように、露骨な侵略戦争のイデオロギーを担う「海外神社」は、まさに「侵略神社」と呼ばれうるものなのだ。・・・「侵略神社」の御神体に関する、日本人たちの右往左往は、昭和天皇の「神器」と同等に、私たちの深いトラウマになってしかるべきものだ。何しろ、多くの難民や捕虜たちよりも先に飛行機で帰ってきた朝鮮神宮のご神体は、今も宮内庁の森の奥深くに隠されている。


川村湊「ブックレビュー 侵略につかわれた神々」(『インパクション139』2004.01)

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・・・本書の半分近くは、かつての侵略神社の当時の写真ページに費やされている。台湾や朝鮮、南洋に建てられた神社は、建築様式の面でいえば、そのほとんどが伊勢神宮・靖国神社の社殿形式である神明造りであり、鳥居も靖国型であったという。それらの写真を眺めて、私は悪夢を見ているような感覚にとらえられた。

北野誉氏「紹介 日本の戦争責任を考える2冊」(『反天皇制運動 PUNCH!36号』 2003.10.14. 8ページ)

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・・・靖国神社の役割と本質を考える上でも有意義な研究といえる。

(『出版ニュース』2003.11/上 23ページ)

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「侵略神社」とは、日本がアジア侵略していく先々で建てられた神社をさす。・・・本書はそれらを写真から復元、人々の記憶の底にある侵略を白日の下にさらしだす。

『ふぇみん』第2708号 2003.11.5. 6ページ)

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刺激的なタイトルである。 戦前・戦中、日本が、侵略したアジア・太平洋地域におびただしい数の神社を建立した事実を知っている人は、それだけいるだろう。なぜ、日本は海外に神社を建てたのか、その役割と実態はどうだったのか。

田中伸尚氏「「神々の侵略」の実態 写真などで明らかに」(『週刊金曜日』482号2003.10.31. 38ページ)

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・・・本書は大日本帝国の官と軍がアジア侵略とともに、植民地や占領地に政治目的でつくった神社を、「侵略神社」と呼ぶ。そして皇国の宣伝の場に利用された歴史を描く。

(『東京新聞』2003.11.23.)

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