小社はこの間、連続して書名または副題に“闇”と冠した告発書を発行、発売してまいりました。
いずれも社会的な不公正、権力・金力を持つ者の横暴や不正の“闇”に対し、虐げられている弱者・被害者・少数者の側からの告発です。多数派と少数派が平和的に共存していくために、それこそが民主社会における言論の役割であると考えております。
一人でも多くの方がこれらの本を手に取り、本質を見極めるための一助になれば幸いです。

(同時代社編集部)


押し紙

新聞配達がつきとめた業界の闇

森下琉/著 1900円+税

「1998年1月の調査の結果は、『まさか、これほどまでとは思わなかった』と、当の佐藤たちがうなるほどの実態であった。……4社合わせると、入荷した新聞の約半分(49・6%)7700部ほどが押し紙だった」(本文より)

「押し紙」とは、売られず、配られず、毎日大量に破棄される新聞をいう。いわば新聞社が販売店に押しつけている新聞のことだ。販売店は、この押し紙費用捻出のために、配達労働者をターゲットにしている─。新聞発行部数にまつわるインチキを配達労働者が初めて明かした。

ドキュメント 京都・美山健康会事件

地方権力の闇を暴く


美里泰伸/著 1800円+税

「この無菌手術室の費用だけで5000万円以上はかかったといわれている。何でこんな立派なものができたのか。……私は、倉庫と化している(この施設)の経緯を聞いて以来、一体、この美山健康会は、本当に『民営』なのかという強い疑問を抱きだした」(本文より)

過疎地の医療法人を舞台に、地域ボスとそれに結託した医者たちが行った不正の数々。絶対服従か村八分、もしくは追放という閉鎖的ボス政治。そこでは日本社会が共通して持っている病巣があった。101日間の告発ドキュメント。

武富士の闇を暴く

悪質商法の実態と対処法


武富士被害対策全国会議/編 1800円+税

「ノルマ未達成者はみんなの前で辱められ、ただただ謝りつづけなければならない。……罵倒される限り1時間でも2時間でも『申し訳ございません』を連呼し、『次はやります。やります。やります』とむなしく叫びつづけるのである」(本文【元社員の告発手記】より)

消費者金融最大手にして経団連にも名をつらねている武富士。だが、現場では、過酷なノルマと上司からの罵倒、そして債務保証。社員は規律違反、過剰貸付、違法取立てに追い込まれていく。本書をきっかけに国会でも論議をよんでいる武富士の悪辣な手口。

NR出版会サイト┃トップ新刊重版情報既刊書籍リスト加盟社リンクNR-memo Copyright(c) 2003. NR出版会. All rights reserved.