2005.03.14.up

2005年新入会2社の紹介です。

日本経済評論社

〒101-0051
東京都千代田区神田神保町3-2
tel 03-3230-1661


小社の社章です。Nの裏側で袋を担いでいる男は粉ひき職人です。ヒントは中世史に関する本の中にありました。袋の中には粉ではなく「知恵」が入っています。われわれはこの知をみがき搗込んでいこうという願いがこめられています。1986年に作られました。当時の評価は、「何か泥棒にみえないか」「いや知を盗んでいるだ」などなどワイワイ騒いで決定しました。


 1970年創立の経済書を中心とした出版社です。この30数年間、小社が目指してきたものは、書物の再検証と発掘でした。ものごとの根源に迫るために、新刊書と復刻資料を並行して出しているのはそのためです。思いは高いのですが零細を脱することはできそうにありません。

 近年は「NIRAチャレンジブックス」や「公共政策シリーズ」など政策提言型のものや、環境問題・社会問題・同時代史などさまざまなジャンルの出版物を増やそうとしています。

 昨年は「慈恵医大青戸病院事件」という書籍を出版し、短期間で増刷。内容は、慈恵医大青戸病院での腹腔内視鏡による前立腺ガンの手術時に患者が死亡するという医療事故について現役の泌尿器科医師による怒りの提言です。

 本流である経済書の分野では昨年から刊行を始めた「経済思想」(全11巻)が好調にすべり出しています。昨今書店では、経済学関係のコーナーは極端に縮小され並んでいる書物は実用書が大半をしめています。そのような状況だからこそ経済学の担うべき公共的な役割や社会に対する鋭い観察眼と社会科学としての経済学を探求しようとする人々にまさにラジカル(根元的)に学問を考え直してみようと呼びかけるシリーズです。

 また復刻資料も出し続けます。現在は5大私鉄をはじめとする営業報告書や株主名簿などを掲載した『明治期私鉄営業報告書集成』を刊行中です。昨年第1期の「日本鉄道会社」を刊行し、今年の1月には第2期の「北海道炭礦鉄道会社」が出来ました。この先関西鉄道、山陽鉄道、九州鉄道、京都・阪鶴鉄道など続刊予定です。

 経済分野にとどまらず、人文社会にも力を注ぎたいと思い参加しました。この会での出会いを大切にしながら出来るだけ多くのことを学んで行きたいと思っております。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
(営業広報担当:木野村照美)



凱 風 社

〒112-0004 東京都文京区後楽2-2-15
tel 03-3815-7633


このマークはヒンドゥーのシヴァ神像をデザイン化したものです。シヴァは「破壊と創造」をつかさどります。凱風社は80年代初頭から「シバシン」マークと名付けて使用してきました。


 凱風社(がいふうしゃ)の「凱風」は「南風」で、初夏のそよ風のこと。〈凱〉は「やわらぐ」という意味です。「凱風」は万物を成長・発育させるとされ、中国の古典『詩経』の編名にその名が見えます。葛飾北斎の「凱風快晴」(富獄三十六景の一つ)に描かれているように、凱風は大海から日本列島に吹きつける風です。

 凱風社は1976年11月に創業し、今年で創立29年になります。最初の10年ほどは歴史社会書や実用書を刊行しつつ、編集プロダクションとしても活動していました。89年ごろには編集プロダクション業務をすべて整理し、自社出版物に仕事を一本化して現在に至っています。主要メンバーは創業以来変わらず、企画・編集・製作から営業・流通、さらにレイアウト・デザインまで、出版活動の大部分を自社でこなす典型的な小出版社です。

 幸い著者に恵まれ、これまでに「JCJ賞」(アジア民衆法廷準備会)、「沖縄タイムス出版文化賞」(新崎盛暉)、「日本映画ペンクラブ賞」(辻恭平)、「平和・共同ジャーナリスト基金奨励賞」(玄番真紀子)などを受賞しています。また凱風社も2004年度の「出版梓会出版文化特別賞」をいただきました。

 この間、グラハム・ハンコックの『神の刻印』で突然のベストセラーに翻弄されるという、想定外の「事件」にも遭遇しました(このときに負った傷は、まだ癒えたとは言えません)。また、『ゴーゴー・インド』『ゴーゴー・アジア』(蔵前仁一)はバックパッカー旅行書の嚆矢として、80年代末から90年代半ばの読者・著者に一定の影響を与えたと自負しています。裕仁天皇の死去に際して刊行した『海外紙誌に見る天皇報道』では、毎週2000部の増刷という、得がたい経験もしました。『事典 映画の図書』『中国学レファレンス事典』『事典 英文学の背景』などの専門書はいずれも現在は品切れで店頭には並んでいませんが、研究者の評価は高く、図書館には広く行きわたった書籍です。また、『ドキュメンタリー映画の地平』や『わがシネマの旅:韓国映画を振りかえる』などの映画に関する書籍で凱風社をご存じの方もいらっしゃるでしょう。

 以上、既刊をざっとご案内しました。これからはNR出版会で毎月1点の新刊をご案内します。そのほかファクスで新刊・話題書をご案内します。これまでファクスでの新刊案内をご覧になっていない方は、ご連絡ください。どうぞよろしくお願いします。(新田 準)

NR出版会サイト┃トップ新刊重版情報既刊書籍リスト加盟社リンクNR-memo書評再録

Copyright(c) NR出版会. All rights reserved.