2005.03.16.up





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2005年3月発行の最新3点をアップ>

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最後に二人で泥棒を

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断崖は見ていた

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贖罪の終止符


トフ氏と黒衣の女


片目の追跡者


二人で泥棒を


フレンチ警部と漂う死体


ハリウッドで二度吊せ!


またまた二人で泥棒を


検屍官の領分


訣別の弔鐘


死を呼ぶスカーフ


死の会計


忌まわしき絆


裁かれる花園

- 論創海外ミステリ・シリーズのご紹介 -

本ミステリは、現在のミステリ出版では、なかなか省みられることのない分野に着目した特色をもっております。大きくは以下の三つの柱に分けられます。

1. 古典の掘り起こし
 メジャー作家といえども、全ての作品が邦訳されているとは限らない。1960年代までの有名作家のうち、未訳作品を逐次刊行。
(例:クロフツ、ジョセフィン・テイ)

2. 黄金時代前後の本格もの
 海外では評価されているのにもかかわらず、日本ではあまり知られていない作品。
(例:マージェリー・アリンガム、ナイオ・マーシュ)

3. B級、異色もの
 B級ハードボイルド、ロマンティック・サスペンスものの中で、海外では人気のあった作品。

このようにジャンルは多彩ですが、日本で20世紀に海外ミステリが紹介されていく中でもれてしまい、本来はその価値を持ちながら、実際には翻訳されていなかった作品を中心にラインナップを考えております。ミステリ評論家の横井司氏の監修のもと、氏に、各作品のミステリ界における位置づけを、その作品の冒頭で紹介してもらっております。

四六判・上製  200〜400頁
本体価格 1600〜2000円 毎月下旬・3冊同時刊行






トフ氏と黒衣の女
〈トフ氏の事件簿1〉
ジョン・クレーシー/田中孜訳 
2004年11月20日発行 四六判・上製・320頁 本体1800円+税


貴族でありながら、貧民街イーストエンドをこよなく愛するトフ氏は数々の凶悪犯罪を解決してきた。ある夜、若く魅力的な女性アンシアとレストランで食事を楽しんでいたトフ氏の前に、雌豹に似た美しさをもつ、黒いドレスを着た殺し屋アーマが現れる。トフ氏とアーマ――ロンドンの闇に浮かび上がる二人の因縁。J・J・マリック名義のギデオン警視シリーズで知られるクリーシーのもうひとつの代表作〈トフ・シリーズ〉初登場!

ジョン・クレーシー(1908〜73)
英国南東部サリー州の生まれ。32年、Seven Times Sevenでミステリ作家として、デビュー。53年、英国推理作家協会(CWA)の設立に関わり、57〜60年アメリカ探偵作家クラブ(MWA)の幹事、66、67年、同会長を務めた。62年、『ギデオンと放火魔』(J・J・マリック名義)でMWA最優秀長編賞を受賞する。69年、同グランドマスター賞を受賞した。28のペンネームを用いて、562冊の本を執筆。その中にはミステリやスパイものばかりでなく、ウエスタン小説や、女性作家名でのロマンス小説などもある。



片目の追跡者
モリス・ハーシュマン/三浦亜紀訳
2004年11月20日発行 四六判・上製・208頁 本体1600円+税


舞台は1960年代のニューヨーク。横領事件の調査中に姿を消した相棒を探索する、隻眼の敏腕探偵スティーブ・クレイン。男と女。優しさと裏切り、追跡と錯綜、果たして友の消息は……? ニヒルなキャラクターと乾いた描写が魅力の緊迫感あふれるハードボイルド・ミステリ。

モリス・ハーシュマン(1926〜)
ニューヨーク大学を経て、編集業務に携わり、処女作『片目の追跡者』Guilty Witness(本書)を世に出す。他にArnold Englishをはじめ、8つのペンネームを持っている。モリス・ハーシュマン名義では8作品を残しているが、他の名義のものを含めると、50作品以上となる。アメリカ探偵作家クラブ(MWA)の会員で、幹事も務めた。




二人で泥棒を
ラッフルズとバニー
E・W・ホーナング/藤松忠夫訳
2004年11月20日発行 四六判・上製・240頁 本体1800円+税



バカラ賭博で莫大な借金を負ったバニーは、友人ラッフルズに助けを乞う。それが二人の冒険の始まりだった……。青年貴族ラッフルズが、スポーツマンシップにのっとり、大胆不敵に挑む盗みの事件簿。甘く危険な友情とサスペンスが織りなす異色ピカレスク! 「アルセーヌ・ルパン」に先駆け描かれた、「泥棒紳士」の短編集第1弾!

E・W・ホーナング(1866〜1921)
英国ヨークシャー生まれ。本作にも登場するアッピンガム・スクールを卒業後、豪州に渡り2年後に帰国。同地に魅せられて処女作A Bride from the Bushを出版。その後は『コーンヒル・マガジン』等に短編を発表。1893年、コナン・ドイルの妹コンスタンスと結婚。彼を有名にしたのは、本書を含む〈A・J・ラッフルズ〉シリーズであり、「泥棒紳士」という新しいキャラクターの確立に成功し、高い評価を得るに至った。1914年に第一次世界大戦で一人息子を失った後、ミステリの発表は途絶えた。自身も戦線に臨み、戦後は南仏で隠棲した。




フレンチ警部と漂う死体
F・W・クロフツ/井伊順彦訳
2004年12月20日発行 四六判・上製・400頁 本体2000円+税



イギリス大富豪の一族を襲った謎の殺人事件。フレンチ警部は、緻密かつ地道な捜査で証拠を集め、数々の仮説を立て、検証の果てに、ついに真相に辿り着く――名作『樽』で知られるリアリズム・ミステリの巨匠クロフツ。30作品以上に及ぶ「フレンチ警部」シリーズ中、待望の未訳作品のヴェールがいま開かれる!

F・W・クロフツ(1879〜1957)
アイルランドのダブリンに生まれる。17歳からイギリスの鉄道会社に勤務し、40歳のときに大病を患い、療養中、退屈しのぎに書いた小説『樽』が1920年に出版され、ミステリ作家としてデビュー。〈アリバイ崩し〉がクロフツ作品の特徴であり、「フレンチ警部」シリーズでは、綿密な現場捜査に基づき、推論・検証を積み重ねて、真相に到達することから〈足の探偵〉と称された。日本でも戦前から知られていたクロフツは、クリスティ、ヴァン・ダイン、クイーン、カーとともに五大本格ミステリ作家とみなされている。




ハリウッドで二度吊せ!
リチャード・S・プラザー/三浦彊子訳
2004年12月20日発行 四六判・上製・320頁 本体1800円+税



「私の無実を晴らしてくれ!」依頼を受けた私立探偵シェル・スコットは、きな臭いショー・ビジネス界を探る中、数々の危険と引き替えに真実を掴む。悪党どもをいぶ
り出すためにとった奇想天外な作戦とは? 1950、60年代のアメリカで人気を博したプラザーの名キャラクター“シェル・スコット”が、華麗なるハリウッドを舞台に縦横無尽に活躍する、珠玉のコメディー・アクション!

リチャード・S・プラザー(1921〜)
カリフォルニア州サンタ・アナに生まれる。リヴァーサイド・ジュニア・カレッジで学び、さまざまな職を経た後、執筆活動に入る。1950年「シェル・スコット」シリーズの第1作『消された女』でデビュー。55年に発表した『殺しのストリップ』では、それまでのシリアスなスタイルから一変、コミカルかつ破天荒なキャラクターとストーリーが好評を博し、人気作家となる。全36作に及ぶ本シリーズは、400万部以上を売り上げた。




またまた二人で泥棒を
ラッフルズとバニー2
E・W・ホーナング/藤松忠夫訳
2005年1月20日発行 四六判・上製・240頁 本体1800円+税



ラッフルズと別れて数年、穏やかだが満たされぬ日々を送っていたバニー。寄越された奇妙な就職斡旋の電報は再会へのパスポート、再び盟友との熱く張りつめた時間へといざなわれる……。二度と開かれるはずのなかった二人の事件簿に、新たに綴られる八つのエピソード。アルセーヌ・ルパンに先駆ける「泥棒紳士」シリーズ、第二弾登場!

E・W・ホーナング(1866〜1921)
英国ヨークシャー生まれ。本作にも登場するアッピンガム・スクールを卒業後、豪州に渡り2年後に帰国。同地に魅せられて処女作A Bride from the Bushを出版。その後は『コーンヒル・マガジン』等に短編を発表。1893年、コナン・ドイルの妹コンスタンスと結婚。彼を有名にしたのは、本書を含む〈A・J・ラッフルズ〉シリーズであり、「泥棒紳士」という新しいキャラクターの確立に成功し、高い評価を得るに至った。1914年に第一次世界大戦で一人息子を失った後、ミステリの発表は途絶えた。自身も戦線に臨み、戦後は南仏で隠棲した。



検屍官の領分
マージェリー・アリンガム/佐々木愛訳
2005年1月20日発行 四六判・上製・384頁 本体2000円+税



第二次世界大戦下のロンドン。政府の極秘任務に従事していたキャンピオンは、休暇をとり、しばし自宅に立ち寄る。浴室でくつろいでいる彼を待ち受けていたのは、女の死体を抱えて階段を上がってくる年老いた男女だった……。アガサ・クリスティー、ドロシー・L・セイヤーズ、ナイオ・マーシュと並ぶ黄金時代の四大女性探偵作家のひとり、アリンガムの傑作、ここに登場!

マージェリー・アリンガム(1904〜66)
ロンドン生まれ。小説家である両親をもち、幼い頃より創作活動を続けていた。仕事上のパートナーでもあった夫のヤングマン・カターは、ミステリに関する本の装丁家として有名である。初めてのミステリ長編は、The White Cottage Mystery(1927)という犯人あての新聞連載小説である。シリーズものとして探偵役を担うアルバート・キャンピオンが初登場したのは、The Crime at Black Dudley(29)であるが、初期は娯楽作品の色が強かった。その後、作風の変化が生まれ、『幽霊の死』(34)以降、文学性を深め、克明な社会背景が描かれ、人物造型にも優れた作品が創られた。その諸作品はクリスティにも高く評価された。




訣別の弔鐘
ジョン・ウェルカム/岩佐薫子訳
2004年12月20日発行 四六判・上製・240頁 本体1800円+税



死んだはずの男が書いた原稿。しかもそれは恋人を奪い、自分に銃を向けた、敬愛する上官だった……。盗まれた原稿、そして男の生死の謎を追いフランスへ渡る、元諜報部員のアマチュア騎手、リチャード・グレアム。翻弄する姿なき親友の影、蠢く政治的陰謀の罠が、南仏コートダジュールに交差する冒険サスペンスの傑作。

ジョン・ウェルカム(1914〜)
アリルランド、ウェックスフォードに生まれる。本名ジョン・ニードハム・ハガード・ブレナン。オックスフォード州エクゼター・カレッジに学び、弁護士資格を取得。英陸軍に務めた後、弁護士事務所を開設。業務の傍ら、執筆活動に取り組む。ミステリとして最も知られている作品は、元諜報部員の英国紳士“リチャード・グレアム”を主人公にした一連のシリーズだが、本来ウェルカムが主流として書いたジャンルは、デビュー作Red Coats Galloping(1949)をはじめとする、競馬・狩猟等を題材とした「スポーツ・ノベル」である。ウェルカム自身もIrish National Hunt Steeplechase Committee(狩猟・障害物競馬委員会)の幹事を長きに渡り務めた。



死を呼ぶスカーフ
ミニオン・G・エバハート/板垣節子訳
2005年1月20日発行 四六判・上製・392頁 本体2000円+税



若く美しいファッション・モデル、イーデン・ショーは、幼なじみのエイヴェル・ブレインの結婚式のために故郷セントルイスへ向かう。再び浮上する幼なじみとの確執、将来の夫となる男の存在……。それぞれの思惑が交錯する、手に汗を握る極上のロマンティック・サスペンス。殺人へといざなう恐怖の夜間飛行、そして悪夢の七日間がはじまる。

ミニオン・G・エバハート(1899〜1996)
アメリカ中央部ネブラスカ州に生まれる。小説家としての長編デビューは、看護婦セアラ・キートと、入院して知り合ったランス・オーリアリー警部のコンビが活躍するシリーズ第一作目The Patient in Room 18(1929)であり、翌年同シリーズWhite the Patient Slept(30)で、ダブルティ社の年間最優秀ミステリに与えられる〈スコットランドヤード賞〉を受賞。エバハートは、M・R・ラインハートとともに〈HIBK(もしも知ってさえいたら)〉派に属し、ゴシック・ロマンスと伝統的な謎解きミステリを結合させた点において、その功績は大きく、多くの作家に影響を与えた。後年、アメリカ探偵作家クラブ(MWA)の会長を務め、71年にはMWAグランドマスター賞を受賞。本作『死を呼ぶスカーフ』(39)は、発表当時「ニューヨーク・タイムズ」や「ニューヨーカー」など多方面に絶讃された一冊である。



11
死の会計
エマ・レイサン/西山百々子訳
2005年2月20日発行 四六判・上製・360頁 本体2000円+税



コンピューターの販売会社ナショナル・キャルキュレイティング社に査察が入った! 指揮するのは、株主抗議委員会から依託されたベテラン会計士フォーティンブラス。凄腕の会計士とうろたえるナショナル社の幹部達との間に軋轢が生じる。だが、これは次へと続く悲劇の始まりに過ぎなかった……。スローン銀行の副頭取ジョン・パトナム・サッチャーが探偵役となる本格ミステリ・シリーズの傑作。シルヴァー・ダガー賞受賞作品。

エマ・レイサン
メアリー・J・レイティス(1927〜97)とマーサ・ヘニサート(1929?〜)の合作のペンネーム。レイティスはイリノイ州、ヘニサートはニューヨーク州生まれ。二人とも、それぞれ経済、金融の専門家として職を持っていた。1961年Banking on Deathでデビュー。本作品『死の会計』(64)で英国推理作家協会(CWA)シルバーダガー賞を、『小麦で殺人』(67)で同ゴールド・ダガー賞を受賞した。マンハッタンのスローン銀行の副頭取ジョン・パトナム・サッチャーを探偵役にし、経済界を中心にした事件を扱った作品群は、ミステリ界に新たな潮流を創った。他にR・B・ドミニク名義のシリーズもある。



12
忌まわしき絆
L・P・デイビス/板垣節子訳
2005年2月20日発行 四六判・上製・368頁 本体1800円+税


小学校で起こった謎の死亡事故。鍵を握る少年ロドニーは姿を消す。その常識を遥かに超えた超能力に翻弄されながらも、教師達は真相に迫るべく行動する。少年の生い立ちに隠された衝撃の秘密とは? 異色故、ミステリ史に埋もれた戦慄のホラー・サスペンス、闇から蘇る。

L・P・デイビス(1914〜)
イングランド西部・チェシャー州に生まれる。マンチェスター工業大学、マンチェスター大学に学び、検眼士の資格を取得。1964年にデビュー作『忌まわしき絆』The Paper Dolls(本作)を世に出すまで、英国軍や薬局等様々な職場を転々とする。本作をはじめとして多くの本格的サイコ・フィクションを執筆し、ミステリ界でも独特のスタンスを確立したが、デビュー当初は既存のカテゴリーに分類することが難しかったため、多くの出版社で刊行を見送られたという。レスリー・ヴァードル名義の作品もある。



13 
裁かれる花園
ジョセフィン・テイ/中島なすか訳
2005年2月20日発行 四六判・上製・352頁 本体2000円+税



孤独なベストセラー作家のミス・ピムは、女子体育大学で講演をおこなうことになった。純真無垢な学生たちに囲まれて、うららかな日々を過ごすピムは、ある学生を襲った事件を契機に、花園に響く奇妙な不協和音に気づいたのだった……。日常に潜む狂気を丹念に抉るテイの技量が発揮されたミステリ、五十余年の時を経て登場。

ジョセフィン・テイ(1896〜1952)
スコットランドのインヴァネスに生まれる。本名エリザベス・マッキントッシュ。芸術家を志しロイヤルアカデミーで学ぶもバーミンガムの体育大学に進み、体育教師を経たのち、詩作、短編などの創作をはじめる。メシュエン社主催の長編ミステリ小説コンテストにゴードン・ダヴィオット名義で応募したThe Man in the Queue(1929)でデビュー、アラン・グラント警部シリーズが誕生した。ジョセフィン・テイ名義の作品が初めて登場するのは、それから七年後の『ロウソクのために一シリングを』(36)で、ヒッチコックによって映画化された(『第三逃亡者』)。寡作ながら、作品それぞれのクオリティーは高く、とりわけ『時の娘』(51)を、江戸川乱歩が“ベスト級の論理探偵小説”と賛辞したことはあまりに有名である。



10 
最後に二人で泥棒を〜ラッフルズとバニー3
E・W・ホーナング/藤松忠夫訳
2005年3月20日発行 四六判・上製・288頁 本体1800円+税



卓越したセンスと類い希なる強運に恵まれた、泥棒紳士ラッフルズと相棒バニー。数々の修羅場をくぐり抜け、英国中にその名を轟かせた二人の事件簿に、いま終止符が打たれる……。大好評「泥棒紳士」傑作シリーズの最終巻、満を持して登場! 全10話+ラッフルズの世界が分かる特別解説付。

E・W・ホーナング(1866〜1921)
英国ヨークシャー生まれ。本作にも登場するアッピンガム・スクールを卒業後、豪州に渡り2年後に帰国。同地に魅せられて処女作A Bride from the Bushを出版。その後は『コーンヒル・マガジン』等に短編を発表。1893年、コナン・ドイルの妹コンスタンスと結婚。彼を有名にしたのは、本書を含む〈A・J・ラッフルズ〉シリーズであり、「泥棒紳士」という新しいキャラクターの確立に成功し、高い評価を得るに至った。1914年に第一次世界大戦で一人息子を失った後、ミステリの発表は途絶えた。自身も戦線に臨み、戦後は南仏で隠棲した。



14 
断崖は見ていた
ジョセフィン・ベル
2005年3月20日発行 四六判・上製・352頁 本体2000円+税



断崖から男が転落した。事故死と判断した地元の警察の見解に疑問を抱いた医師ウィントリンガムは、男の一族がここ数年謎の事故死を遂げていることを知る。ラストに待ち受ける驚くべき真相にむけ、富豪一族を襲った悲劇の幕がいま開かれる。

Josephine Bell(1897〜1987)
ジョセフィン・ベル
本名ドリス・ベル・コリアー・ボールDoris Bell Collier Ball。マンチェスター生まれ。ケンブリッジ大学を卒業後、ロンドン大学で医学博士の学位を得て医者となり、夫とともに開業する。その医学の知識を活かしたデビュー作Murder in Hospital(1937)では、今後シリーズの探偵役としてスティーヴン・ミッチェル警部とデイヴィッド・ウィントリンガム医師が登場する。このシリーズを含め、40冊以上のミステリを書く。イギリス推理作家協会(CWA)の会長を59〜60年に務めた。



15 
贖罪の終止符
サイモン・トロイ
2005年3月20日発行 四六判・上製・288頁 本体1800円+税



村の名士ビューレイ医師が睡眠薬を飲み過ぎ、死を遂げた。検死審問では事故死と判断されるが、周りには常日頃から金の無心をしていた俳優の弟、年の離れた若き婚約者など怪しい人物ばかり。誰一人信用が置ける者がいない中、舞台はガーンジー島にある私塾学校に移り、新たな事件が展開する! 人間の哀しき性(さが)が描かれた心理サスペンス。

Simon Troy(1904〜1974)
サイモン・トロイ
英国作家。別名にワリナー・サーマ Warriner Thurman、ジョン・カーシー John Kerseyがある。サイモン・トロイ名義では、スミス警部を主人公にしたシリーズを10作書き、その中で地方色を出し、優れた人物造型をもに、重厚な心理サスペンスを描いたことで知られている。



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